剪定をはじめとする生垣の管理について

ラカンマキの生垣。ラカンマキはマキの中でも成長がゆっくりで、管理しやすいです。

今回は、生垣を美しく保つのに必要な剪定を始めとするお手入れについてご紹介します。

 

 

仕立て方
衝立のように面を作るのが一般的です。
他に、
・玉づくり(1本1本を球形に刈り込む)
・自然樹形のままの生垣(枝葉が密なコニファーなどに向いている)
などがあります。

 

生垣の高さについて
■高さ1.0m前後:仕切りの役割。目隠しにはならないが、解放的な印象になる。
■高さ1.8m~2.0m前後:目隠しの役割をはたす。
■高さ3.0m前後:風避けや防火の役割をはたす。

 

刈り込み作業に必要な道具
●両手刈り込みバサミ


広い面積の枝先を刈るためのハサミです。柄の片方は動かさず、もう片方の柄を左右に動かしながら切ります。太い枝は刃の根本付近で切ります。太すぎる枝は無理に切ると刃こぼれや刃が曲がる原因になるので、剪定鋏で切ります。刈り込みバサミには、表と裏があり、刃先が反っているほうが表です。玉ものなどの曲面部を刈るときには、ハサミを裏返しに使うと上手く丸みがつけられます。また、生垣の天面など高所を刈るときも、ハサミを裏返したほうが剪定しやすいです。

 

●片手刈り込みバサミ


両手刈込バサミより小型の鋏です。細部の調整や、両手刈込バサミでは剪定が不可能な狭い範囲の手入れに適しています。両手刈込バサミをメインで使用して、片手刈込バサミは補助的に使用した方が良いです。

 

●剪定バサミ


細かい枝の剪定には向きませんが、切れ味が良く太い枝が切りやすいです。

 

●ノコギリ


剪定バサミでは切れない太い枝を切るときに使用します。両刃は他の枝を傷つけてしまうので、片刃のものが良いです。幹や太い枝を切るには目が粗いもの、細い枝を切るには目が細かいものが適しています。

 

●電動ヘッジトリマー


面積の大きい生垣を面に仕立てる場合に使用すると作業が楽です。

 

刈り込み時期
生け垣の形を保っていくためには、最低年2回の剪定が必要となります。
■常緑樹:新芽が伸びた後の5月~7月頃・10月頃
■落葉樹:休眠期の11~2月頃・10月頃
■花が咲く木:開花後(ほとんどの種類で花芽は前年の夏にできる。開花させたい場合は花後なるべく早く剪定する。)
■針葉樹:3~5月・10月頃
※生垣に利用される木は萌芽力が強いので、秋にもう一度軽く剪定します。

 

刈り込み量
一般的な長方形の生け垣であれば、角をしっかり決め、厚みを抑えるときれいに見えます。前回切った位置まで刈り込み、伸びたぶんだけ短くするようにします。刈り込む量が浅いと、年々生け垣が厚くなるので注意します。

 

刈り込み方
樹木は新芽を伸ばす力が先端ほど強いので、先端ほど強く刈り込むようにします。最初に側面の端を基準にする長さに刈り、横に移動しながら長さをあわせて刈っていきます。このとき下から上へ刈り込むようにします。なぜなら樹木は一般的に下枝の方が上枝よりも新芽を出す力が弱く、上から下へと刈ると、想定以上に下を深く刈ってしまう可能性があり、下枝が枯れてしまう事になりかねないためです。
2mほど刈り進んだら、面がそろっているかを確認し、出っ張った部分があれば整えておきます。側面を刈り終えたら、同じ要領で天面を刈ります。天面を水平に刈るために、生垣の両端に棒を立てて刈り込む高さに糸を水平に張り、この糸に合わせて平らに刈り揃えるときれいに仕上がります。生垣の側面は刈り込みバサミを表にして使いますが、天面はハサミを裏返しにした方が水平に刈れます。

 

生垣の清掃
生垣は枝の中に枯葉やゴミが溜まりやすいです。病虫害の原因にもなりますので、時々かきだすようにします。

 

水やり
根付くまでの1年程は、乾燥に弱い種類には水やりが必要です。それ以降はよほど日照りが強い状態が続かなければ、水やりは必要ありません。

 

根切り・施肥
根切りとは、株元の幹の直径の2倍ぐらい離れたところを溝状に掘り、根を切る作業のことです。2~3年に1回の頻度で行います。根切りをすることで株が大きくなりすぎるのを防ぐことと、根詰まりを解消し養分吸収を良くする効果があります。根切りをした後に油かすなどの肥料を入れ埋め戻します。

 

病害虫の予防
適切な剪定をして風通しをよくし、加湿にならないようにしましょう。消毒は1~2月、5〜6月、9〜10月の年に3回行うのが理想ですが、難しい場合は年1回は行います。

1~2月:冬の時期から春先にかけて、病気の発生を予防する目的で行ないます。

4~6月:芽吹きの時期に大多数の害虫も羽化するのでその時期に合わせた消毒です。できるだけ梅雨入り前までに済ませておきます。

9~10月:晩夏から秋にかけて発生する病害虫を予防する消毒です。

 

近年では手間がかかるなどの理由で敬遠されることもありますが、生きた樹木を使った生垣は色々な利点と魅力を持っています。いくつかのポイントをおさえれば初心者の方でも十分管理は可能です。今回ご紹介した内容が少しでもお役にたてば幸いです。