こんにちは!熊本のエクステリア・樹木のアドバイザー、山口栄治(やまぐち・えいじ)です^^
秋も深まり、日に日に寒さが増してきました。落葉樹はすっかり枯れ、冬らしい景色に変わりつつある今日この頃ですね。
樹木は冬になると、休眠期に入ります。冬の間、木の成長は弱まるため剪定はしなくていいと考える人もいるかもしれません。でも実は冬における落葉樹の剪定は、夏の剪定よりも重要な作業ともいわれているんですよ。
今回は、冬に行うべき落葉種の剪定について、種類別の切り方を紹介します。正しい時期に正しい方法で剪定し、春の芽吹きに備えましょう!
冬の剪定はなぜ重要?
そもそも剪定とは、枝を切って全体の形を整えたり、風通しを良くしたりするために行います。それだけでなく、木が栄養を効率良く吸い上げることや病害虫の繁殖予防といった効果も期待できるんですよ。
ただし剪定は、少なからず樹木にダメージを与える作業です。切る場所や量に注意しなければ枯れてしまうことにもなりかねません。種類に合った方法で行うことが大切です。
樹木にとって、冬はお休みの時期。冬の落葉樹は、葉を落として省エネモードに切り替わっています。養分が幹に集中するので、枝を切ってもダメージを最小限に抑えられるのです。
逆に言うと、夏の落葉樹は1年分の栄養分を蓄えながら、葉や枝を茂らせます。この状態で剪定すると樹木の生命力を弱らせてしまい、翌年の成長にも影響を及ぼしてしまいます。このような理由からも、落葉樹の剪定は冬がベストなんです。
冬に剪定をするべき樹木の種類と剪定のコツ
冬の剪定は、樹木の形を整えながら春の芽吹きに備えることが目的です。よって、夏の剪定よりも深めに切り落とします。
落葉樹や耐寒性のある落葉針葉樹については、冬剪定が基本なので、しっかり覚えておきましょう。
落葉広葉樹…12月~2月
落葉広葉樹は、葉が落ちた直後に枝の様子を見ながら剪定します。
ヤマボウシ
ハナミズキ
モミジ
アオダモ
ムクゲ
ヒメシャラ
マルバノキ
など。
剪定のポイント
常緑落葉樹の剪定のポイントは
・細い枝をこまめに切る
・太い枝は切り過ぎない程度に
常緑落葉樹のきれいな樹形を保つためには、細い枝をこまめに切ることが大切です。
また、常緑落葉樹は太めの幹や枝を持つ種類が多く、全体的にどっしりとしています。しかし、太い枝をたくさん切ってしまうと、樹勢を弱らせてしまいます。缶ジュース程度の太さの枝で、出過ぎているものだけを切りましょう。
落葉針葉樹…11月~2月
落葉針葉樹は寒さに強い樹木。基本的に剪定は新芽が咲く春先に行いますが、枯れ枝を落とすなどの軽い剪定は10~11月に行いましょう。
イチョウ
カラマツ
メタセコイア
など
常緑針葉樹の剪定のポイントは
・新芽が出る頃に刈込剪定をする
・深く剪定するときは必ず葉を残す
針葉樹の場合、しばらく放置していても樹形はあまり変わりませんが、その形のままどんどん成長して大きくなっていくので、定期的に剪定する必要があります。
剪定のポイントは、新芽が出る時期に形を整えるための刈込剪定を行うことです。針葉樹は剪定すると、切り口が白く変色してしまうことがありますが、すぐに新芽が出てくる時期なら、変色した部分が新芽で隠れて目立たなくなります。
また、針葉樹は葉がなくなってしまうと新しい葉が出にくくなってしまうので、深く剪定する場合でも、必ず葉は残しましょう。
まとめ
伸びすぎた枝はつい切りたくなるものですが、樹木には種類ごとに最適な剪定時期があります。また、種類ごとの剪定方法が分かれば、自分で剪定を行うときにも役立つでしょう。
冬の剪定作業は寒さが身に染みるため億劫になりがちですが、翌年に生き生きした新芽や新緑を咲かせるためにも、しっかりと切ってあげましょう。日中の暖かい時間帯などに行うことをおすすめします。
剪定や冬の庭木の管理については下記の記事でも説明しているので、こちらもぜひ参考にしてくださいね。