明けましておめでとうございます。地震や飛行機事故など大変な出来事とともに幕を開けた2024年。被災された皆さまにおかれましては心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い救出、支援がなされますことをお祈り申し上げます。
さて、厳しい寒さが続く今日この頃。冬は花の種類が少なく樹木の葉も枯れてしまうため、お庭は殺風景になりがちです。でも、この時期だからこそしておきたいお手入れがあるんです!
今回は、1月の間にぜひしておきたい樹木のお手入れについて紹介します。冬の間にしっかりとお手入れし、春の芽吹きに備えましょう。
冬の樹木、どうなっている?
冬になると樹木は休眠期に入りますが、この間も根を伸ばし、水分を吸収しています。葉がない落葉樹でも、幹や枝から水分が蒸発するため、一定量の水分が必要なんです。また、水分と同時に養分や肥料も根からしっかりと吸収されています。吸収された養分は、春に新しい芽を出すためのエネルギーとして蓄えられます。
夏と冬における樹木の大きな違いは、活動量にあります。夏の活動量を100とすると、冬の期間は20~30まで低下。強烈な日差しが降り注ぐ夏はすぐに土が乾燥するため、樹木はこまめに水分を吸収し、葉を茂らせています。一方、日射量が少ない冬は、気温が低いため水分の蒸発が少なく、夏ほど水分を吸収しません。
とはいえ、先に述べたとおり、冬でも水やりは必要です。これについては後述します。
冬の樹木のお手入れ
冬の間の樹木のお手入れで、特に意識したいポイントをまとめました。
寒肥
寒肥(かんごえ)とは、寒い時期に樹木に肥料を与えることで、春の成長を支える目的があります。冬の間に寒肥を施しておきましょう。
寒肥におすすめの肥料は、有機肥料です。有機肥料は、牛ふんや油かすなど動植物由来の有機物を原料とした肥料で、中に含まれるたくさんの微生物が春に向けて土を耕してくれます。また、有機質の肥料は庭土の保肥性や保水性を高める効果が期待できます。
寒肥のポイントは、根の先端周辺に施すこと。植物は根の先端から栄養を吸収する性質があるからです。ただし、肥料が直接根に触れると根が傷つく可能性があるため、外側を意識して施してください。目安は、枝先の真下ぐらいです。
雪が降る寒冷地域の場合は、雪解けの季節になってから即効性のある化学肥料を使用することがおすすめです。そして、来年からは樹木が葉を落とし始めたら、積雪前に緩効性の有機肥料を与えるようにしましょう。
水やり
冬場の水やりは、晴天が続く場合は10日に1度でも十分です。
水やりの基本は、土が乾いたらあげること。毎回、土が湿っているかどうかを手で触れて確認しましょう。湿っているなら水やりは不要です。また、根の凍結を防ぐためにも、水をあげる時間帯は午前中や昼間が望ましいでしょう。
また、水をかける部分にも注意が必要です。花や葉の上から水をかけるとそれらを傷つける可能性があるため、水は直接、土にかけてください。
鉢植えの植栽に与える水の量は、受け皿に溢れるほどでかまいません。鉢の底部での過湿状態を防ぐためにも、受け皿にたまった水は都度捨てましょう。
病害虫の予防
冬になると、樹木の枝や幹に付着している害虫の卵塊を見かけることがあるでしょう。
特に、常緑樹には害虫が多く産卵します。産み付けられた卵は枝葉に隠れて見つけにくいことがあるため要注意。見つけ次第、樹皮に傷をつけないように、剪定ばさみの背などで潰しましょう。こうすることで、春先の集団発生を予防できます。
また、樹木だけでなく、植木鉢などにもイラガのさなぎが付着していることがあります。これは、ウズラの卵を約1cmの美しい縞模様で包んだような、固いさなぎです。見つけたら速やかに潰しましょう。
葉の葉脈に沿って付着している、白い小さな星形をした卵は、カメノコロウムシ(これもカイガラムシの仲間)です。見つけたら葉ごと切り取り、ゴミとして処分してください。
冬の間にしっかりお手入れして春の芽吹きに備えよう!
冬の間、樹木は休眠期に入ります。夏に比べると活動量は大幅に落ちますが、春に向け水分や養分を根から吸収しているので、水やりと寒肥をしっかりと行いましょう。
水やりの基本は、土が乾いているときにあげることです。冬の間は、毎日あげる必要はありません。土の状態や天気に応じて水量を調節してください。
冬の間にしっかりとお手入れし、春に生き生きした芽や花を咲かせましょう!