寒さが一段と増してきた今日この頃。お庭の緑もすっかり枯れ、閑散とした雰囲気が漂っているのではないでしょうか。この時期になると植物も休眠期に入ります。
だからといって、何もしなくても良いというワケではありません。冬の丁寧なお手入れは、春の庭を華やかにすることにもつながります。
今回は、この時期だからこそ済ませておきたい冬のお手入れについて紹介します!
掃除
まずは、お庭のキレイに保つための基本であるお掃除から!
枯れ葉の除去
落ち葉は、放っておくと病害虫の温床になり、周囲の樹木や植物に影響を及ぼします。また、強い木枯らしによって隣近所の敷地に吹き飛んでしまうことも。普段からこまめに掃き掃除をしておきましょう。
腐葉土作り
落ち葉で腐葉土を作る場合の手順は、以下の通り。
1.庭の隅に落ち葉置き場を作り、そこに一旦落ち葉を全て集める。
2.水分を含ませ、上からビニールなどを被せる
3.全体的に湿っぽくなるまで置いておく、
4.時々、スコップなどでかき混ぜる。
この方法だと、半年ほどで完熟の堆肥が出来上がります。ちょうど春頃にはタイミング良く使うことが出来るでしょう。
除草
冬の雑草は、夏ほどの勢いがなく土に張る根の力も弱いので、抜きやすいでしょう。冬に雑草の根を処理しておくと、春以降に生える雑草の繁茂をかなり抑えることができます。なるべく冬の間に雑草を処理し、防草シートの張り直しや砂利の追加も済ませておきましょう。
落葉樹の選定
落樹木は冬になると葉が落ちて枝が見えやすくなるので、この時期は剪定にも最適です。剪定することで、枝の隅々に日が当たるようになるので、春の新芽の成長を促すことができます。剪定ばさみで、からみあった枝をカットしましょう。
花壇・鉢植えの管理
冬に花を咲かせる植物のお手入れもお忘れなく。寒さに弱い植物は、植え替えが必要です。
寒さに弱い宿根草は室内へ
宿根草は、花が枯れても根は土の中で生き残り、翌年また花を咲かせる植物です。マリーゴールドやベゴニアなど、寒さに弱い植物は鉢に移し、室内へ移動させましょう。
室内で育てる際は、なるべくエアコンの風が直接当たらない、日当たりの良い場所に置きます。乾燥する場合は、加湿器や霧吹きで適度に花びらや葉を湿らせてあげましょう。
寒さに強い宿根草は一か所に集めて横にしておく
パンジーやラベンダーなど寒さに強い宿根草の茎や葉は、適度にカットし、鉢植えのものは一か所に集めて、横に倒しておきます。こうすることで、茎が雪の重さで折れるのを防ぎます。
株分け
宿根草の根は、年月が経つほど株が大きくなる性質があるため、茎が密生します。このまま放置すると日当たりが悪くなってしまい茎一本一本の生命力が低下するので、冬の間に根を切り分けて他の場所に植え替える「株分け」をしておきましょう。
雪対策
山間部や北国など雪が降る地域では、防寒・積雪対策も必要です!
マルチング
マルチングとは、樹木や植物の株元である地面をビニールなどで覆うことです。マルチングは土の急激な温度変化を防ぐので、霜による凍結から樹木や植物を守ります。その他にもマルチングには、以下の効果があります。
・土の乾燥を防ぐ
・雑草の繁茂を防ぐ
・病害虫を防ぐ
・強い風雨による土の流出を防ぐ
寒さに弱い植物にはマルチングをしておきましょう。
冬囲い
冬囲いとは、雪の重みや強風で樹木が倒れたり折れたりしないよう、縄や竹、木材などで樹木を囲ったり縛ったりし、頑丈にすることです。
寒さに弱い樹木に対しては、ワラや寒冷紗ですっぽりと覆うなどし防寒します。「兼六園の雪づり」のように、冬の風物詩としてお庭の賑やかにしてくれます。
冬囲いに必要な道具は、ホームセンターに売っています。ワラなどの自然物でも問題ありません。固定の仕方に決まりはないので、樹木の形に合わせて、適度に支えてあげましょう。くれぐれも枝を折らないように。
次のシーズンに向けた準備
春の芽吹きに備え、土づくりなどもしっかり行なっておきましょう。庭木や植物が健やかに成長するためには、冬の間に環境を整えておくことが重要です。
寒肥(かんごえ・かんぴ)
寒肥とは冬の間に肥料を与えること。春に勢い良く新芽を出させるための栄養剤のような役割があります。春に樹木や植物を植える予定がある場合は、寒肥をしておきましょう。
寒肥に使用する肥料は、冬から春にかけゆっくりと土に吸収される有機質の肥料がおすすめです。有機質の肥料なら、根が活動を始める時期と肥料が効き始めるタイミングを合わせることができます。
天地返し
花壇の土などでは、月1回程度天地返しを行いましょう。天地返しとは、深い部分にある土を表面に掘り起こし、上層と下層の土を反転させることです。こうすることで、上層の有機物は下層へ鋤き込まれ、分解が進みます。また上層に移動した微生物たちは寒さに晒されることで、活性化します。天地返しには、土全体を生き返らせる役割があります。
害虫対策
生き物たちの活動が鈍くなる冬でも、庭を荒らす害虫は多く存在します。冬でも活動する害虫が好むのは、暖かく湿り気がある所。雑草や落ち葉の下、ブロック、岩陰でひっそりと越冬します。
春になると一斉にふ化し活動を始めるので、冬の間に殺虫剤をまくなどし、しっかりと駆除しておきましょう。
種採り
庭木や花に種がある場合は、種採りすることで翌年もまた栽培を楽しむことができます。採った種は、よく乾燥させてからビンや缶などの容器に移し、密封した状態で冷暗所にて保存しておきましょう。春が近づいてきたときにその種をまけば、また芽を出します。
まとめ
冬の庭のお手入れ、いかがでしたか?意外にもやるべきことが多いと感じた人もいるのではないでしょうか。
寒い日の外での作業はなかなか億劫ですが、冬の作業は夏に比べて熱中症や脱水症のリスクが低く、虫刺されの心配もありません。作業をしていると体も温まってきて、冬に陥りがちな運動不足も解消できます。
春のお庭を美しく保つためにも、庭の冬支度をしっかりと行い、準備万端にしておきましょう!