山採りとは、山に自生している樹木を掘り下ろした木のことです。
山採りは山の中の限られた栄養分しかない環境で雑木と競り合いながら伸びているので、下枝が少なくすらっとした樹形をしているのが特徴です。
木陰が多い山の環境の中、日の当たる方向へ伸びようとするので幹がうねり畑作物では作ることのできない自然木を感じることができます。
しかし山採りは注意点もあり、基本的に根が荒いため「山」から「庭」とういう全く違う環境に急に変えてしまうとその環境についていけず枯れてしまうこともあります。
そのため山から掘り下ろしたら一度畑に仮植えをし、なじませる必要があります。
山採りの特徴とメリット
山採りものをお庭に植えた場合、将来的には山採りの華奢な感じは少し抜けてしまいますが樹形の雰囲気はわりと残ってくれるので里山のような癒しの空間を
感じさせてくれます。そして下枝が少ないので葉も少なく成長も緩やかなので山採りものはローメンテナンスというのが一つのメリットでもあります。
山採り特有の斑紋は地衣類(菌類)が付着したものですが、畑作物ではだせない山採りものの特徴でもあります。
また山採りは山の中の様々な樹木達と一緒に育つので、「混ざり」といってひとつの株の中に2種類のちがう木が混ざって育つということもあります。
山採りは1本1本個性があり奥深く魅力的です。
※山採りの斑紋(アオダモ)
代表的な山採りの天然木
アオダモ
アオダモは自然樹形が美しく、すっきりとした枝ぶりと葉が涼しげで近年とても人気のある樹木です。
アオダモの魅力でもある幹模様は地衣類(菌類)が付着したものであり山採りのアオダモの方が幹肌は特にハッキリしていて美しいです。
近年、山採りのアオダモが減ってきており入手が困難になりつつありますが、生産農家さんの努力により雑木樹形に近いものも増えてくるようになりました。
アオハダ
すらっと上に伸びる樹形とさわやかな葉が特徴です。新緑がきれいで、秋には黄葉する姿も見応えがあります。
こちらもアオダモ同様に山採りのものが減ってきており、畑作物が多くなってきました。
ナツハゼ
ナツハゼは直線と曲線が混じり合う様な樹形をしています。中木ですのでメインツリーには向きませんがアオダモなどのシンボルツリーに寄せて植えると
お庭の雰囲気がぐっと良くなります。
花や実、紅葉が高いレベルで美しい人気の木で山採りならではの味わい深さが魅力です。
他にもヤマコウバシ、ヤマボウシ、ソヨゴなどたくさんの山採りの樹木があります。
山採りの樹木をお庭に植えることで涼しげで里山にいるような自然味溢れるお庭にしてくれます。
元気に育ってもらうためにも山採りの樹木を購入する場合は一度植木屋さんなどの畑で管理された山採りの樹木を購入することをおすすめします。
一本一本個性のある山採りの樹木を是非お庭に取り入れてみてはいかがですか?