暑さもすっかり和らぎ、秋めいた気候になってきました。もみじやイチョウなど、美しく葉が色付く頃ですね。
秋になると、樹木の枝の伸びが止まり、葉も枯れて落ちてゆきます。
しかし秋は台風のシーズン。災害への備えをしつつ、お手入れをしてあげましょう。
剪定はなぜ必要?
剪定とは、樹木全体の形を整え、風通しや日当たりを良くするために枝を切り落とすことです。樹木に栄養を行き渡らせるだけでなく、病害虫の繁殖を予防することができるので、剪定は庭木には欠かせない手入れです。
剪定は基本的に、毎年行うのが理想。剪定時期は樹木の種類によって異なっています。
常緑針葉樹…3~5月、10~11月
常緑広葉樹…3~6月、8~10月
落葉広葉樹…12~2月、3,6,9,10月
用いるハサミは、樹木の種類や太さに応じて使い分けましょう。
植木バサミ
刃先が尖っていて、刃も細いハサミです。片手でサクサクと使うことができるので、細かい作業に向いています。切り落とせる枝の直径は約1㎝。無理に切ろうとすると刃が欠けるので注意しましょう。
刈り込みバサミ
生垣やトピアリー(低木を刈り込んで、動物や鳥などを象ること)など広範囲を刈り込むのに向いているハサミです。少し入り組んだ樹木の枝も刈り取ることができます。
高枝切りバサミ
高いところにある枝を切りとるハサミです。
ノコギリ
高枝切りバサミのハサミがノコギリになっているタイプです。高枝切りバサミで切り落とせない太い枝を切り落とす際に使用します。
秋の樹木のお手入れ
秋になると、常緑樹の多くが移植可能となりますが、落葉樹は葉が全て落ちてから移植します。
秋は夏ほど乾燥しませんが、土には適度に水を与えます。夏の間花を咲かせた木には、肥料を与えましょう。
また、寒冷紗やすだれを日除けにしていた場合は取り外し、なるべく日光に当てます。
ここからは、秋の代表的な樹木のお手入れ方法について解説します。
もみじ
もみじには、アブラムシやカイガラムシなどの害虫が寄り付きます。これらの虫を放っておくと枝や葉が枯れてしまうので、ホームセンターなどに売ってある薬剤で駆除しましょう。
もみじの最適な剪定時期は11月~2月。夏場の剪定はもみじが弱くなってしまうので、7月までには済ませておきましょう。また、もみじは繊細な樹木なので、鋭い刃物は選定に向きません。なるべく手で剪定します。
イチョウ
イチョウの剪定時期は、11月と2~3月。幹からたくさんの細い枝が伸び、全体的にまとまった形に成長していくイチョウには、4つの剪定方法があります。
幹の成長を止める「摘心」、太い枝を程よい位置で切る「切り詰め」、日当たりや風通しを良くするために不要な枝を切る「透かし」、剪定後に伸びた枝を切り元に戻す「切り戻し」。
イチョウはとても高さのある樹木です。高所での作業は大変危険を伴うので、業者に依頼するのも良いでしょう。
キンモクセイ
キンモクセイは、枝葉が対に成長する樹木なので、適度に剪定しないと広がり過ぎてしまいます。剪定に最適な時期は3~4月ですが、秋~冬の間も軽い刈りこみなら大丈夫。
剪定は、太く長い枝や重なり合っている枝など不要な枝を間引きます。ただし、刈り過ぎると春に新芽が出て来なくなってしまうので、花の咲いた枝の場合は、枝の先端から2~3節ほど残した位置で切り詰めます。
また、葉は必ず残して切り詰めましょう。葉を残さずに切ると、花が咲かなくなってしまいます。
ハナミズキ
ハナミズキは秋から冬になると葉が全て落ち、丸裸になります。この時期は選定すべき枝がよく分かりますし、株へのダメージも与えません。毎年冬に1回は剪定しましょう。
剪定は、不要な枝を根元から切り落とす間引き剪定がベスト。枝全体が3分の1ほどの量になるくらいが良いでしょう。少し切り過ぎても春にはまたどんどん伸びてくるので、ちょうど良い塩梅になります。
プラタナス
成長が早く大木になるプラタナスは、生命力の強い樹木です。枝を全て切り落として幹だけになっても、芽を出します。秋になるとどんどん葉が落ちてしまい処理が大変なので、葉が落ちる前に剪定することをおススメします。
また、プラタナスにはまれにテッポウムシが寄り付きますので、薬剤などで駆除しましょう。
しみじみとした風情を感じさせてくれる秋の樹木。
毎年適切な時期に正しくお手入れしてあげましょう!
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