芝生はイネ科の多年草である芝草が一面に植えられている場所を指します。
芝生が利用されるところとして公園、運動場、ゴルフ場を始め家庭の庭などもあります。
granksの周りも芝生で覆われておりお客様から綺麗ですねなどの嬉しいお言葉を頂くことが
多々あります。
その一方で手入れの仕方や病害虫のご相談やご質問もよく受けます。
そこで今回は芝生の種類、特徴、注意点、手入れの仕方などをご紹介したいと思います。
まず芝の種類として大きく分けると暖地型芝生(日本芝)と寒地型芝生(西洋芝)があります。
~暖地型芝生(日本芝)~
【野芝】
山に自生しているため野芝と言われます。日本芝の中では最も寒さや乾燥に強く、病害虫にも強いです。
成長も日本芝の中では一番遅く手入れはいりませんが、その分葉が荒く美しさには欠けます。
【高麗芝】
日本で最もポピュラーな芝生で密度も細やかで葉が硬いので踏まれても強く乾燥にも強い特徴があります。
一般家庭のお庭に多く使われている芝生です。
【姫高麗芝】
高麗芝よりも葉の幅が細く葉の密度が高いため、とても美しい芝生になります。
ただし成長が早いため刈り込みを頻繁に行わなければなりません。
~寒地型芝生(西洋芝)~
【バミューダグラス】
バミューダグラスは世界の暖地で最も利用され耐暑性、耐旱性、踏圧や擦り切れ圧にも強い。
暖地型芝草でありながら西洋芝の葉の繊細さ、柔らかさを併せ持つ。
踏まれても回復が早いのでお子様が走り回るようなお庭には最適です。
【ベントグラス類】
葉が細く柔らかいのが特徴でゴルフ場のグリーンによく使われます。
寒さには強いが乾燥や病害虫に弱い面もあります。
【ブルーグラス類】
寒い気候に強い芝生です。病害虫に強く生育が遅いため西洋芝の中ではメンテナンスが楽で
世界中で使われています。一方で暑さや乾燥には弱いです。
【フェスク類】
寒さにも暑さにも強い芝生で深く根を張るため乾燥にも強く丈夫です。
寒地型の中では最も耐陰性が高いという特徴も持っています。
※【ティフトン芝】…西洋芝ですが暖地型芝生
最大のポイントは傷ついても回復力に優れているので、すぐに枯れたりする心配がいりません。
生長も早く芝刈りもこまめに必要ですが他の芝生よりも密度の濃い芝生に仕上げることができます。
ティフトンは夏に最も生長する芝生で暖地型なので日本の高温多湿の気候でも耐えることができます。
~夏芝と冬柴とは~
暖地型芝草(夏芝)
は高温多湿や乾燥に強く日本の夏、30度以上でも成長します。日本の秋から冬、10度以下になる
11月~3月頃には地上部分の葉が褐色に枯れ休眠状態になりますが春になるとまた成長を始めます。
代表的な夏芝は日本のノシバ、高麗芝、姫高麗芝、西洋芝のバミューダグラス、ティフトン。
タイル状の切り芝を敷き詰める張り芝で芝生を作るのが一般的です。
寒地型芝草(冬芝)
日本でも常緑を保ちます。日本の春と秋、15~20度で成長し25度以上と5度以下で成長が止まりますが
葉は枯れません。
暑さには弱く夏枯れの危険があります。代表的な冬芝は西洋芝のベントグラス類やブルーグラス類、
フェスク類、ライグラス類があります。
種を撒いて芝生を育てるのが一般的です。北海道や東北などが生育に適しています。
※日本芝=夏芝 西洋芝=冬芝 と勘違いされますが西洋芝にもティフトン芝のように夏芝はあります。
・種類ごとの主な用途
【野芝】…神社、仏閣、庭園、公園、ゴルフ場のラフ、河川敷や堤防、道路の法面
【高麗芝】… ゴルフ場 運動場 一般の庭
【バミューダグラス類】…国立競技場などのスポーツ競技場、公園
【ベントグラス類】…ゴルフ場のグリーン
【ブルーグラス類】…ゴルフ場のフェアウェイ、ラフ、スポーツ競技場、公園、一般の庭
【フェスク類】… ゴルフ場、ティー、フェアウェイ、スポーツ競技場
【ティフトン】…スポーツ競技場、校庭緑化
芝生は夏の暑さに弱い種類や気候が低い地方では育たない種類もあるので、
自分の住んでいる地方の気候に適した芝生を選ぶようにしましょう。
★芝の手入れについて
芝刈りはしっかりと根付いてからやるのが基本です。根が張らない状態で芝を刈ると枯れてしまう可能性があります。
そして刈り込むときに3分の1以上切り込まないように注意して下さい。
葉の下の茎の部分に成長点があるのですがそこで軸切り(根切り)してしまうと芝が弱ってしまう恐れがあります。
芝刈りの方法としましては刈る高さが設定できる専用の芝刈りの機を使用されるのをおすすめします。
刈払い機やハサミだと刈る高さの設定などがないので軸切り(根切り)してしまうことも考えられます。
そのため専用の芝刈り機を使用して芝刈り機で切れないキワなどのみハサミなどで刈るといいでしょう。
※芝刈り機にはいろいろ種類がありますが、家庭用では手押し芝刈り機(手動、電動、エンジン)が
一般的ですがそれ以外にバリカン式芝刈り機や乗用式芝刈り機などもあります。
芝生を食害する害虫
【コガネムシ類】
コガネムシの幼虫は池中の茎や根を食害します。成虫は照明に寄ってきます。
【ミミズ】
ミミズ自体は直接芝生を悪くするわけではありませんが糞塚や美観を損ねたり、ミミズを
餌にするモグラを呼ぶ原因になります。具体的な被害がなければ放置して構いません。
【蟻の巣】
ある程度広い芝生なら必ずあるアリの巣。巣の出入り口の土が目に付きますが
ミミズほど美観上の影響はなく家に入り込んでくるなどの被害がない限り放置して
大丈夫です。
【モグラ】
川原や公園などの芝生にはモグラが現れることもあります。
モグラはミミズやコガネムシの幼虫などを餌として芝生に地下トンネルを掘り所々に
土の盛り上がったモグラ塚を作ります。臭いや音に敏感な性質を利用して追い払う装置
、また捕獲器などがありますがモグラを含む農林業駆除目的以外での動物捕獲には
鳥獣保護法により環境省または各都道府県の許可が必要なので注意してください。
害虫に効く殺虫剤
【スミチオン】
芝を適用対象とした農薬でスジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシいずれにも利きます。
使用方法は水で薄めて散麩布してください。
【オルトラン】
葉や茎から吸収されて植物体内に行き渡り、広範囲の害虫に対して効果がある浸透移行性殺虫剤です。
水和剤は薄めて散布、粒剤の方が効果は持続します。