生垣にも最適なキンモクセイ。密度の高い生垣が作れます。
生垣の作り方
生垣を作るにあたって、苗木を等間隔に真っ直ぐ植付ける必要があります。また、根付くまでは風などで苗木が倒れる恐れがあります。そのため、柱や支柱が必要となります。大まかな生垣の作り方は以下になります。
①植樹場所の土を耕し、必要に応じて適した土壌改良剤をすきこむ
②生垣を作る長さの両端の地面に親柱(太い柱)を立てる
③立子(細い柱)を太い柱の間に等間隔で立てる
④両端の親柱に、2~3本横向きに竹(または木)を渡し、胴ぶちとする
⑤横向きに渡した竹(または木)と親柱を紐で結び、固定する
⑥植え穴を掘り、苗木を植え付ける
⑦横に渡した竹(または木)とそれぞれの苗木を結ぶ
⑧植え付けた苗木に肥料を施す
【支柱の取り付け方】
各支柱や棒は、杭木や竹を使います。
■親柱の高さ:100~150㎝
■親柱を地面に打ち込む深さ:30~50㎝
■親柱(太い支柱)の間隔:180~200㎝(植え付け間隔30㎝の場合180㎝、40㎝の場合200㎝)
■植付け間隔:30~40㎝(30㎝なら3本/m、40㎝なら2.5本/m)
■竹の外側(道路側)に苗を植え付ける
■根付くまで支柱を立てておき、風などで倒れないように固定する。(何本かまとめて固定してよい。)
■隣地との境界線ギリギリに植えるのを避ける。(生長につれて枝張りが増すのを見越して、内(自分の敷地)側に植える。)
実際の手順
①植え付け前に親柱を立てる予定の外側に棒を立て、地面近くにヒモを張り、水準線とします。
②ヒモに沿って親柱(太い支柱)を180~200㎝の間隔で立てます。
③ヒモに沿って立子(細い支柱)を等間隔で立て、道路側に胴ぶちを水平に渡し仮留めをします。
④苗木を等間隔に仮置きして位置を確認してから、穴を掘り植えます。
※例えば30㎝間隔の場合、1本目は親柱から15㎝の位置に植え、2本目は1本目から30㎝離した位置(親柱からは45㎝の位置)に植える。この間隔で親柱の間に6本の苗木を植える。
⑤胴ぶちの反対側から押しぶちで苗木をはさみ、水でしめらせたシュロ縄で胴ぶちと各柱をしばります。シュロ縄の結び目が手前(押しぶち側)に来るようにします。
⑥植木の高さを切りそろえます。切る位置にひもを張るときれいに高さを揃えることができます。
⑦最後に、苗木の両側へ溝切りをして施肥し、たっぷりと水を与えます。
ほとんどの樹種はこの作り方でOKです。また、もっと簡易的に作るなら以下の図のように、親柱と親柱の間に水平に竹などを1本渡し、直接苗木と固定しても良いです。
【大きくなる樹種の場合(コニファー類など)】
■植付け間隔:80㎝(※剪定を頻繫に行えないようなら、100㎝位にする。)
■杭の間隔:180~200㎝
■支柱は1本ずつ立てた方が良い
※コニファー類は細身の樹種でも、生長すれば枝張りが100cm前後になります。混み合った部分の葉は茶色く枯れてしまうので、株間を広めにとっておきます。
【支柱の役割】
風で木が煽られることによって、根が動いて根付きが悪くなるのを防ぐために支柱を立てます。苗木が根付くまでには、2~3年かかります。根付いてくる頃には、ちょうど支柱や縄は朽ちてきています。その頃はもう支柱は必要ありません。ただし、コニファー類などは根張りが浅く、大きくなっても風で倒れやすいので、支柱はつけたままの方が良いです。
【土壌改良】
腐葉土や、それぞれの土壌の質に合わせて土壌改良剤を入れておきます。
【最も適した植え付け時期】
落葉樹の場合:10月頃または、落葉期(厳冬期は避けた方が無難)
常緑樹の場合:10月頃または、芽が動き出す前の3月頃か、梅雨頃
【段垣について】
段垣は高さの異なった生垣の組み合わせによって形成されます。高さを変えることで奥行きが生まれ、圧迫感を和らげることができます。
また、高さのある生垣の前面に低い生垣を作ることで枝葉が少なくなった高木の生け垣の足元を隠すこともできます。しかし、段垣をつくる場合は生垣の幅にかなりの場所を取りますので、敷地に余裕が必要です。
段垣は同樹種で作る場合もありますが、樹種を変えることで、よりデザイン性の高い生垣にすることができます。例えば高木の生垣を30~40㎝後ろにずらし、根元にサザンカやサツキなどの花木を列植すると、花も楽しめます。
次回は生垣の仕立て方と管理方法についてお伝えします。